フィボナッチの引き方|MT5で色分けする手順と損切りの位置

上昇トレンドのチャートを見ていると、どこまで下がったら買えばよいのか迷う場面があります。押し目の目安を価格で探す方法のひとつが、フィボナッチ・リトレースメントです。
フィボナッチは、高値と安値の2点を選んで引くと、戻りの目安になる水平線が表示されます。ただし、どの高値・安値を選ぶか、どちら向きに引くかで、線の位置は変わってしまいます。
この記事では、フィボナッチの引き方とMT5での設定、引いた水準から損切りを決める方法を解説します。
目次
フィボナッチ・リトレースメントの見方
フィボナッチ・リトレースメントは、直前の値動きに対して、価格がどこまで戻るかの目安を割合で示すツールです。
たとえばドル円が150.00円から152.00円まで上がったあとに下がり始めた場合、上昇した2円のうち何%を戻したかを、23.6%・38.2%・50%・61.8%などの水平線で表します。
よく使われる比率
まず確認するのは38.2%・50%・61.8%の3本です。浅い押し目なら38.2%、深い押し目なら61.8%付近で止まるかどうかを見ます。
23.6%は勢いの強いトレンドでの浅い押し目、78.6%は61.8%を割り込んだあとの目安として使われます。
23.6%・38.2%・61.8%は、前の2つの数を足して次の数をつくるフィボナッチ数列の、数同士の比率から出ています。50%は数列から出る比率ではありませんが、半値戻しとして意識される水準なので、一緒に表示されます。
必ず反発するわけではない
フィボナッチの水準で必ずしも価格が止まるわけではありません。同じ水準に注文を置くトレーダーがいるため、その付近で売買が増えやすいというだけです。
フィボナッチに限らず、インジケーターや描画ツールは、過去の値動きから目安を示すものです。将来の値動きを言い当てるものではないので、判断材料のひとつとして使いましょう。
水平線やキリのよい価格、前日の高値・安値と重なる水準ほど、止まるかどうかを確認する価値が高くなります。
また、上下に往復するレンジ相場では、引く波を1つに決められないため、フィボナッチは使いにくくなります。
フィボナッチの引き方
どの波に引くかを決める
引く対象は、直近で高値や安値を更新した、はっきりした1つの波です。小さな上下を何度も繰り返している途中に引くと、どの安値・高値を使うか迷ってしまいます。
迷ったときは、1つ上の時間足で波を確認しましょう。たとえば15分足で迷ったら1時間足、1時間足で迷ったら4時間足を見て、そこで目立つ安値と高値を選びます。
上昇トレンドは安値から高値へ
上昇トレンドで押し目を探すときは、波の起点の安値をクリックし、そのまま高値までドラッグして引きます。
MT5では、引き始めた点が100%、引き終えた点が0%になります。上昇トレンドなら安値が100%、高値が0%になり、その間に38.2%や61.8%の線が並びます。
下降トレンドは高値から安値へ
下降トレンドで戻り売りの目安を探すときは、反対に高値から安値へ引きます。高値が100%、安値が0%になり、安値から上に向かって戻りの目安が表示されます。
向きを逆に引くと、38.2%と61.8%の位置が入れ替わります。引いたあとは、0%と100%がどちらにあるかを確認してください。

ヒゲの先端に合わせる
高値と安値は、ローソク足の実体ではなくヒゲの先端に合わせます。ローソク足の高値・安値は、ヒゲの先端の価格です。
前日の高値・安値などの水平線も、この価格で引かれます。ヒゲの先端に合わせておくと、フィボナッチの線と水平線が重なっているかを同じ基準で確認できます。
実体に合わせて引く人もいます。その場合も、毎回同じ基準で引きましょう。
MT5でフィボナッチを引く手順
メニューから選ぶ
MT5の上部メニューから「挿入」→「オブジェクト」→「フィボナッチ係数」→「フィボナッチリトレースメント」を選びます。

選んだあとはチャートの安値をクリックし、ボタンを押したまま高値までドラッグして離します。下の画像は、下降の波に高値から安値へ引いた例で、始点の高値が100.0、終点の安値が0.0になっています。

位置を数値で合わせる
引いたフィボナッチの線を右クリックし、一番上の「プロパティ」を選ぶと設定画面が開きます。

設定画面の「パラメータ」タブには、始点と終点の日付と価格が並んでいます。価格を直接入力すれば、ヒゲの先端の高値・安値にぴったり合わせられます。

MT5でレベルを追加・色分けする
設定画面には「共有」「レベル」「パラメータ」「表示選択」の4つのタブがあり、表示するレベルや線の色は「レベル」タブで変えます。
78.6%のレベルを追加する
MT5の初期のレベルは0%・23.6%・38.2%・50%・61.8%・100%・161.8%・261.8%・423.6%で、78.6%は含まれていません。
「レベル」タブで「追加」を押し、レベルの欄に0.786、詳細の欄に78.6と入力します。
レベルの欄は、23.6%なら0.236のように小数で入れます。詳細の欄に入れた文字は、チャートの線の横に表示されます。

追加したレベルは一覧の最後に並びます。使わない161.8%などのレベルは、行を選んで「削除」を押しておくとチャートが見やすくなります。
各レベルの価格を表示する
「レベル」タブの詳細の欄に「%$」と入力すると、線の横にその水準の価格が表示されます。たとえば詳細を「61.8 %$」にすると、61.8という文字と、その水準の価格が並んで表示されます。
価格が表示されていれば、指値や損切りの価格をそのまま注文画面に入れられます。
線の色は全レベル共通
「レベル」タブの下にある色の欄で、線の色を選べます。ただし、色の欄は1つだけなので、選んだ色はすべてのレベルの線に反映されます。

2本重ねて色分けする
38.2%・50%・61.8%だけを目立たせたいときは、同じ高値と安値にフィボナッチを2本引きます。色はフィボナッチ1本ごとに設定できるので、レベルを2本に分ければ2色で表示できます。
1本目は38.2%・50%・61.8%・78.6%だけを残して赤に、2本目は0%・23.6%・100%だけを残して黄色にします。2本目の始点と終点は、「パラメータ」タブで1本目と同じ日付と価格を入力すると、ぴったり重なります。
下の画像は、別々の波に引いた2本のフィボナッチを、黄色と水色で表示した例です。

右に延長する
「パラメータ」タブで「右に延長」にチェックを入れると、レベルの線がチャートの右端まで伸びます。
延長しない場合、線は始点から終点までの範囲にしか表示されません。価格がその範囲を過ぎたあとも水準を確認したいときは、延長しておきましょう。
引いた水準で損切りと利確を決める
フィボナッチで入る水準を決めたら、損切りと利確の位置も同じ線から決められます。
損切りは次の水準の外側に置く
61.8%で買うなら、損切りは78.6%の少し下に置きます。78.6%を割り込むと、起点の安値(100%)のすぐ上まで戻されており、押し目として見る根拠が弱くなるためです。
入る水準ごとの損切りの目安と、0%で利確したときの比率
| 入る水準 | 損切りの目安 | 0%で利確したときの比率 |
|---|---|---|
| 38.2% | 50%の少し外側 | 約1:3.2 |
| 50% | 61.8%の少し外側 | 約1:4.2 |
| 61.8% | 78.6%の少し外側 | 約1:3.7 |
比率は、入る水準の%を、次の水準までの差で割って計算しています。どの水準も、波の大きさに関係なく同じ比率になります。
ただし、これは損切りをちょうど次の水準に置いた場合の数字です。実際には、ヒゲで損切りにかからないよう数pipsの余裕を持たせるので、比率はこれより小さくなります。
比率が大きくても、損切りにかかる回数が多ければ損益はマイナスになります。比率だけで取引を決めないようにしましょう。
ドル円で計算する
ドル円が150.00円から152.00円まで上がり、61.8%で買う場合を計算してみます。各水準の価格は次のとおりです。
61.8%:152.00円 −(2.00円 × 61.8%)= 150.764円
78.6%:152.00円 −(2.00円 × 78.6%)= 150.428円
損切りを78.6%の3pips下の150.398円に置くと、損切り幅は36.6pipsです。利確を152.00円に置けば、利確幅は123.6pipsになります。
利確幅 ÷ 損切り幅 = 123.6pips ÷ 36.6pips ≒ 3.4

表の約1:3.7から、余裕幅を足した分だけ下がり、約1:3.4になります。利確を高値の少し手前に置く場合は、比率はさらに小さくなります。
下降トレンドで売る場合は、高値と安値を入れ替えて同じように計算します。
損切り幅からロット数を決める
損切り幅が決まれば、1回の損失額からロット数を計算できます。
資金10万円で1回の損失を2%の2,000円にする場合、2,000円を1通貨あたりの損切り幅0.366円で割ります。
2,000円 ÷ 0.366円 ≒ 5,464通貨
1ロットが10万通貨の口座なら、0.01ロット単位に切り下げて0.05ロットです。損切りにかかったときの損失は約1,830円になります。
同じ61.8%でも、波が大きいほど損切り幅は広くなり、持てるロット数は小さくなります。損失額の決め方とロット数の計算を詳しく知りたい方は、以下の記事をチェック!
利確は直前の高値を目安にする
利確の目安は、押し目をつける前の高値(0%)です。高値の手前で売りが増えることもあるので、高値ぴったりではなく少し手前に置く方法もあります。
スプレッドを引くと、実際の比率はチャート上の比率より小さくなります。コストを引いた実質の比率を計算したい方は、以下の記事をチェック!
高値更新や時間足で迷ったとき
高値を更新したら引き直す
上昇トレンドで高値を更新したら、終点を新しい高値に移して引き直します。古い高値のままにしておくと、実際の押し目より浅い位置に線が残ってしまいます。
反対に、安値(100%)を下に抜けた場合は、その上昇の波は終わったと判断できます。そのフィボナッチは削除して、新しい波を探しましょう。
時間足ごとに色を変える
1時間足で引いた線は、5分足で見ても価格は同じです。複数の時間足で引いていると、どの線がどの波のものか分からなくなります。
4時間足は黄色、1時間足は水色のように、時間足ごとに線の色を決めておくと区別しやすくなります。
日足の区切りは業者によって違う
MT5のチャートの時刻は、業者のサーバー時間です。日足の1本はサーバー時間の0時に始まるため、サーバー時間が違う業者同士では、日足の高値・安値がずれることがあります。
日足で引くときは、使っている口座のサーバー時間を確認しておくと、ほかの人が引いた線と比べやすくなります。
EdgeGraph FXのMT5での使い方
EdgeGraph FXのMT5でも、この記事の手順でフィボナッチ・リトレースメントを引けます。標準の描画ツールなので、追加のインストールは必要ありません。
EdgeGraph FXのMT5のサーバー時間は、米国の夏時間の期間は日本時間より6時間、それ以外の期間は7時間遅れています。そのため日足は、日本時間の朝6時または朝7時に切り替わります。
夏時間と冬時間の切り替え日や、それに合わせたMT5の時間の変わり方を詳しく知りたい方は、以下の記事をチェック!
フィボナッチの水準と重なる価格を探すときは、無料で配布しているインジケーターも使えます。前日の高値・安値やキリのよい価格に水平線を自動で引けるので、フィボナッチの線と重なるかをチャート上で確認できます。
配布しているインジケーターの一覧と使い方を知りたい方は、以下の記事をチェック!
よくある質問
まとめ
フィボナッチは、入る水準を探すだけでなく、損切りを置く水準も同じ線から決められます。損切り幅が決まれば、1回の損失額からロット数まで計算できます。
EdgeGraph FXのMT5では、標準のフィボナッチに加えて、前日の高値・安値やキリのよい価格に水平線を引くインジケーターを無料で配布しています。
まずはデモ口座でフィボナッチを引き、レベルの追加や2色に分ける設定を試してみることもできます。
EdgeGraph FXのデモ口座で、フィボナッチの設定と注文を試せます
デモ口座の始め方はこちら!






